編集長のひとりごと

サッカーの“正体”。

スポーツは大きく分けて4種類に分類されるらしい。ひとつ目は「演技系」。練習通りに実践する力が問われる競技で、自身のイメージ通りに身体を動かす能力が求められる。フィギュアや体操などがこれにあたり、メンタルが勝敗を左右する。ふたつ目は「対戦系」。柔道や剣道、ボクシングなどがこれにあたる。相手があるスポーツであるため、自分がどうこうというよりも、相手によって勝敗が変化する。三つ目は「重さ・タイム系」。これは仮説検証で結果が出やすい競技で、負ける場合は自滅であることがほとんど。よって自問自答を繰り返す。陸上競技や水泳などがこれにあたる。そして四つ目が「チーム系」。組織で力を発揮するスキルが磨かれる競技で、野球やサッカー、ラグビーなどがこれにあたる。監督の権限が大きい野球の場合はフォロワーシップが、権限が少ないラグビーではリーダーシップが育むと言われている。サッカーはその中間、もしくはラグビー寄り。スポーツの中でもリーダーシップが身に付きやすい競技となる。

最近、サッカー界で話題になっている指導方法に「ボトムアップ理論」というものがある。これは従来のプレー自体への指導とは異なり、人間力向上に主眼を置いた指導方法で、メンバーひとり一人に“自ら考えさせる”。例えば、選手登録やスタメン、システムから練習メニュー、選手交代の決定に至るまで、監督ではなく選手が話し合って決める。学年ごとやカテゴリーごとにリーダーがいるのも特徴のひとつで、当然のことながら、リーダーシップが磨かれる。一見、競技とは関係がなさそうだが、選手自らが考えることで「やらされている」が「やってやる」に変わり、日々の取り組みに大きな変化が生まれることで、チーム力も大きく向上する。浜松でもすでに取り入れているサッカー部があり、成果を挙げているのも興味深い。

さてさて選手権が目前に迫ってきた。昨年は浜松開誠館高校が、浜松勢として実に41年ぶりに全国大会に出場した。中部勢優位の静岡県にあって、浜松勢がどんな活躍を見せてくれるのか楽しみである。この大会に出場するチームは大きく分けて2タイプ。ひとつは高校サッカーの集大成として3年生主体で大会に臨むチームと、総体で3年生が引退し、新チームとなって大会に臨むチーム。それぞれ目標は異なるかもしれないが、「やってやる意識」で大会に挑んでもらいたい。

サッカーの面白さはそのグローバリズムにある。かつてW杯観戦のために南アフリカを訪れた時、ビーチ脇の広場で現地の子供たち3人ほどがサッカーをやっていた。多少お酒が入っていたこと、相手が子供だったことなどから、陽気にその3人に加わった。それを見ていた観戦客が次々に参加。日本人は我々だけだったが、オランダ人、さらには現地の南アフリカ人も加わり、小さな広場はさまざまな国の大人でごった返した。ボールを持ったら大きく前に蹴り出すオランダ人、パスを一切せずにひたすらドリブル突破を試みる南アフリカ人、そして我々はパスアンドゴーを繰り返した。もちろんボールが返ってくることはなかったが…。言語はみな違う。それでもサッカーは成立する。味方(と思わしき人)が得点を挙げればハイタッチをし、転ければ手を差し伸べた。サッカーには人種の壁を超える力がある。

サッカーボールは世界の共通言語でもある。
プレー技術だけでは計れない魅力が、サッカーにはある。

大会結果

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