編集長のひとりごと

最後の夏の過ごし方。

今年もこの季節がやってきた。早いもので息子が“最後の夏”を終えてから二年が経った。思えば実に“あっという間”の三年間だった。

最初に迎えた夏はまだお客さんという雰囲気の中行われた。彼はユニフォームを着てスタンドにいるものの、そのユニフォームはまだ似合っていなかった。一年生の父兄も、上級生の父兄に言われるがままの場所に座り、その環境に慣れるのが精一杯だった。二回目の夏、チームは四回戦まで進み、比較的長い夏になった。彼はスタンドで応援の中心にいた。得点を奪えば頭から水をかぶり、大きな声で歌を歌い続けた。いつの間にかユニフォームが似合うようになっていた。一方の我々は、上級生方の指示がなくても正規の動きができるようになり、旗やのぼりのくくりつけを自発的に行えるようになっていた。そして三度目の夏。父母会をまとめる立場となったが、多くを下級生の父兄がやってくれたうえ、野球部員や吹奏楽部が大音量で応援してくれるため、大したことをする訳でもなく、ただただスタンドに腰を下ろし試合を眺めた。そして彼はベンチにいた。初戦は秋季大会県王者との対戦だった。緊迫した投手戦で迎えた最終回。ノーアウト満塁のチャンスを作ると、初球をスクイズ。サヨナラ勝ちを収めた、二回戦の相手は優勝候補筆頭で、春の甲子園に出場したチームとの対戦だった。マウンドには県内ナンバーワン左腕。先制点を挙げたものの、中盤に追いつかれ、そのまま逆転された。試合は9回ツーアウトランナーなし。敗色濃厚の中、代打が告げられ、彼がバッターボックスへと向かった。彼にとって、これが高校野球生活における公式戦初出場。“最初で最後”の出場となった。初球の140kmを超えるストレートをファールにすると、二球目もファール。三球目を見逃すと、四球目。快音を残した打球が右中間へ飛ぶ。ライトが快足を飛ばしスライディングキャッチを試みるが一歩及ばず、ボールはグランドを転がった。二塁ベース上でガッツポーズする彼。その姿を観た時に、彼が野球を始めた頃から今日までの思い出が走馬燈のように頭の中を駆け巡った。試合は敗れ、最後の夏は二試合だけを戦って終わった。直後は大きな空虚感に見舞われたが、今となってはとても素晴らしい、唯一無二の思い出。彼がくれた“最高の宝物”だった。それは最後の打席があったからではない。彼がくれた宝物は、10年もの間、野球に懸命に取り組んでくれたことに他ならない。小学校の頃は主力として活躍したものの、中学、高校と、ほとんどの時間を控え選手として過ごした。それでも「甲子園出場」を目標に掲げ、努力を積み重ねることができた。その時間を共有できたことこそが最高の宝物なのだ。

最後の夏、皆さんの“彼”はどこにいるだろう。グランドにいるかもしれないし、ベンチやスタンドにいるかもしれない。ただどこにいようが、彼は皆さんに最高の宝物をくれている。それは勝とうが負けようが、試合に出ようが出まいが、一切色褪せない。高校まで野球を続けてくれた彼を持つ皆さんだけの大切な大切な宝物なのだ。

皆さんにとっても最後の夏。親として、子供が自慢したくなるような最高の振る舞いをしてほしい。自分の子供だけではなく、チームメイト全員を自分の子供(“彼”)として観ることができる目を持って臨んでほしい。その姿こそが皆さんの最後にとって、最も相応しい。

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